時計を選ぶときに、ディテールにこだわるのは当然なこと。また買ったときには気づかなくても長いお付き合いしているうちに、「その部分」が妙に気にいってくることや新作を見てこれで良かったと納得することありますね。これを愛着というのでしょうか。機械式時計の魅力の一つだと私は思います。それが、定期的なメンテに出した時に、運悪く「その愛着の部分」が部品がすでにストック切れのため、違うものに変えざるを得ないと宣告さるケースは、ユーザー側にとってもそのことを伝えなければいけない販売した方も、そこにメンテを依頼することを躊躇するくらいショックなことです。
同社のオーバーホール依頼の際、針交換のケースが多く、交換になるかどうかは、実際に作業を進めて外してみないとわからないと見積もりの段階で言われます。進行すると今まではほとんどの結果、交換になっています。写真の90年代初めのモデル(オールドナビタイマー、コスモノート)に使用されていたホワイトのエナメルの針は、すでにアフターには在庫はなく、銀色のマーク入りにのものに変わりブラックの永久秒針、クロノ分集計、時間集針は、ブルーに変わる。ブラックダイヤルに白い針、ブラックのスモセコが計器を彷彿し精悍でここに魅力を感じているユーザーも多いはず..。残念。90年半ば以降のものも永久秒針、クロノ分集計、時間集針の形状が変わるものがあるのでご注意。
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カレンダーの調整(早送り)
(1)リューズを一段引いて早送り。
現在最も多いタイプです。ほとんどは、リューズを引いて一段目にカレンダー、二段目に時刻調整ですね。ゼニスのエルプリメロはが逆になってます。またエリートは日付を進めることも、バックすることもできます。
(2)コレクターによる早送り
コレクター、プッシュボタンを押して進める方式。コレクターの場合、金属製の専用のピンで押したりしますが、爪楊枝なんかも便利だったりします。
(3)長針を進めて早送り。
時刻調整のリューズポジションで針を進め12時〜1時でカレンダーを進め、今度は針を11時〜8時ぐらいまでバック、これを繰り返して日付を進める方法。ノモスのタンジェント・ディトやジャガールクルトノのCal;918が搭載されているコンプレッサーメモボック、レベイユはこのタイプです。何時まで進めて、何時までバックするかはキャリバーによって違います。また多少個体差はあるようです。
(4)短針を進めて早送り。
GMT機能付きに多いタイプです。リューズを一段引いて独立して動く短針を進めて日付を早送りします。
ロレックスのGMTマスターII,ジャガールクルトのマスターホームタイムなんかそうです。
(1)と(2)の調整の方法の場合、時計が示す時間がカレンダーが変わる午前0時前後3時間でないことを確かめないといけません。この時間帯に早送りをすると機能を損傷する可能性があります。たとえばカレンダーが変わらないとか、変な時間に変わるといった症状です。ナイト&ディ針や24時間針がない場合は、午前・午後の判別ができないのでダイヤルの上半分に短針がある場合は、調整しない方が無難です。その場合、針をぞらしてから早送りをしましょう。以前ゼニスのセミナーの際に、スイスの技術者はダイヤルの上半分の時間帯をデンジャラス・ゾーンと呼んでいました。(3)と(4)はちょっと面倒な感もありますが、デンジャラス・ゾーンはありません。いずれにしても早送り調整は、ゆっくりされたほうが機械にやさしいと言えます。