シースルーバックの現代におけるもう一つの役割とは。

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クォーツムーブメントが既にあるというのに、わざわざ機械式を愛用する。その理由は数々ありますが、美しいムーブメントを眺めることができるシースルーバックは、機械式時計の魅力を引き出す手段の1つであることは間違いありません。1990年代前後から普及しはじめたでしょうか。もうひとつこのシースルーバックには良いところがあります。ムーブメントには地板のある部分(テンプあたり)をルーペかキズミで拡大してみるとメーカー名、キャリバーが刻印されています。ですからこの時計にはどこの会社のどのキャリバーが使用されているか、またはベースになっているか、そして仕上げの程は、シースルーバックの場合一目瞭然。ユーザー側からしたらカタログのスペックをみるより、非常に確実で便利なわけです。もともとはムーブメントを楽しむために考案された物だと思いますが、2002年ETA宣言もあり、機械式時計の価値を決めるを中身が多様化している今日においては、シースルーバックは、時流からして大切な意味を持つと思うのです。
写真は地板の刻印の一例。ノモスはノモスα(手巻き)ノモスε(自動巻)になったタイミングでETAの刻印がNOMOS GLASHUTTEに変わっている。写真上の右RマークはETAに買収される前のバルジューのキャリバーに見られるマーク。買収後はETAになる。

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