1880年代〜THE E.INGRAHAM&COの掛時計。

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昨年の暮れ、地元のご住職がこれ直るかなぁと持ち込まれた古い掛け時計。長く物置の隅にあったとかでホコリがひどく、試しにゼンマイを巻こうとしたらゼンマイの穴が摩耗していて巻くことも出来ず、なんとかなればと思う気持ちはありましたが、これは難しいなぁ、一応お預かり。お正月休みにその気になって調べてみると1880〜1884くらいに製造されたアメリカ製E.IGRAHAM社の由緒正しいも。八日巻き、時報付き、金箔モデルは当時の資料によると当時$9だったらしい。(125年前の$9っていまですとお幾らか?)資料と見比べると針も(短針が折れかかっているものの)オリジナルのようで、少なくとも外装に関しては全てオリジナル部品。第一のハードルであったゼンマイはたまたまうちにあったもので巻き上げたらなんと巻き上げが出来てクリア。これなら洗浄して注油すると動き出すのではと分解開始。しかし…分解を始めると次々に押し寄せるハードルが…….



最大の難関はクリック(コハゼ)とよばれる部品、これの取り付け方に問題がありゼンマイに影響していたよう、これの付け直しが最大のネックでした。もうgive up寸前でしたが、友人にも相談してネジを加工して、なんとかクリア。(この作業中にチュチマの担当セールさんがT 氏が訪問してきて、何やってるのか不思議がってました)折れかかった針を裏側から補強したり、ボディの割れやねじ穴などを修復…..機械も何度もランニングを繰り返し、ようやく止まらないようになったので本日ついに本体に機械をセット、文字盤、針とつけて様子をみるところまでたどり着きました。希望と絶望の繰り返しの約6週間、途中ゼンマイがいっきに戻って指を切るやら(涙)、色々と大変な目に遭いましたが、元気よく振り子をチックタックと振る姿を見ていると手放したくなくなってきましたね(無理)良い勉強させてもらいました。

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