W&J アフターサービス」カテゴリーアーカイブ

OHで里帰り、スマイルディのファーストモデル。

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オーバーホール依頼で里帰りしたアランシルベスタイン ロンド スマルディです。2003年2月にお買い上げいただいた時計です。久々の対面ですが、いい顔してますね。
現在では同じみのスマルディ(曜日を顔の表情で表す機能)は、2001年に角型のペイブ、この丸型のロンド、から始まりました。その後スマイルディは、クロノB,クロノB2、ピクトなどにもついて、今ではアランシルベスタインのおなじみ、定番機能にもなりました。
この時のロンドは、クラブのケースのようで、この翌年2002年にロンドは現在のラグの無いケースで発表されます。このタイプのロンドスマイルディは最初の500本のみだったようです。スマイルディが丸顔(現在はオーバル)なのもこの頃の特徴です。
ちなみに、同時に発売された角型ペイブは、発売直後に、ブレスの装着のためケースの形状が急遽変更され、2つの形のペイブが存在しているのは意外と知られていません。結果、変更前のペイブは、今ではコレクターアイテムになっているようです。当店では、ケース変更前のペイブは、確か3本販売しています。スマイルディのファーストモデル、2001ペイブとロンドは、レアアイテムになりました。
その時は、気にならなかったことが、時間がたってみると、妙に気になってしまう、そんなところも熱心なコレクターを持つこのブランドの魅力の一つでしょうか。

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若気の至ということで…..お許しを。時計にあった二つのサイン。

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昨日、ご年配のご夫婦が、写真の掛け時計をお持ちになれれて、ご主人様が、この時計の機械をいまの電池式のクォーツに変えることができますか?と言われた。
お話をお伺いすると、年をとったから、踏み台にのってネジをかけるのが、おっくうになった。20年位前、修理をした時に、次回の修理の際は、機械を入れ替える方法もあると、私から聞いたことを思い出したからとのことでした。「….う〜20年前か..覚えていない…。言ったかもしれない^^;」
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と心でつぶやきながら時計を見ると、ケースに色あせてはいるけど確かに中慶時計店の文字があるシール。祖父が販売したものか?
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お二人が、お帰りになったあと、外装についた汚れをタオルで拭き取ると、なんと「祝 結婚 昭和三十二年三月八日」の文字。これが、ご夫婦そろってお持ちなったわけで、クォーツになったとしても外装をなんとか残したかったわけですね。
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幸い機械のほうは、洗浄して注油したら調子よく動いてくれました。ホッ。洗浄では、黒い砂粒のような金属の粉が、いっぱい流れでました。時間の垢落ですね。
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表面に、自分のギターのお手入れ用に持っていたオイルを塗らさせて頂きました。機械オイルの香りとオレンジオイルの香りのミックスは、なんか癒される良い香りなので、ゼンマイを巻く作業をいくらか楽しくしてくれるだろうという願いを込めて。
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フランス優勝記念だったんだろう〜KB50

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1998年FIFAワールドカップ フランスこの大会を記念したクロノBをベースにしたモデル。正確にはフランス優勝記念モデルだったかもしれませんね。というのは1998年の春には発表されていなくて、突然発表されて入荷は大会が終了してだいぶたった頃だったように記憶します。フランス代表の優勝に感激してフランス人のアランシルベスタインが製作を思いついたのではないかと思うのです。パーフェクトカタログには世界限定100となっていますが、時計の裏蓋には***/500(5)とあります。クロノBの5シリーズ目の500個のうちの100個が記念モデルに回ったと予想されます。今回、弊社にて販売したものをオーバーホールでお預かりしました。今見てもサッカーとフランスをイメージした魅力あるモデルに仕上がってますね。
この大会は20世紀最後ワールドカップとして、また日本代表初出場という想い出深い大会だったように思います。ジダン、ベッカム、オーウェン、ラウル、ロナウド、デルピエロ….各代表チームのスター選手の活躍も花を添えてくれています。

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1880年代〜THE E.INGRAHAM&COの掛時計。

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昨年の暮れ、地元のご住職がこれ直るかなぁと持ち込まれた古い掛け時計。長く物置の隅にあったとかでホコリがひどく、試しにゼンマイを巻こうとしたらゼンマイの穴が摩耗していて巻くことも出来ず、なんとかなればと思う気持ちはありましたが、これは難しいなぁ、一応お預かり。お正月休みにその気になって調べてみると1880〜1884くらいに製造されたアメリカ製E.IGRAHAM社の由緒正しいも。八日巻き、時報付き、金箔モデルは当時の資料によると当時$9だったらしい。(125年前の$9っていまですとお幾らか?)資料と見比べると針も(短針が折れかかっているものの)オリジナルのようで、少なくとも外装に関しては全てオリジナル部品。第一のハードルであったゼンマイはたまたまうちにあったもので巻き上げたらなんと巻き上げが出来てクリア。これなら洗浄して注油すると動き出すのではと分解開始。しかし…分解を始めると次々に押し寄せるハードルが…….

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取り扱い説明書の間違い。

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お客様のお問い合せで確かめたところ、間違っておりました。というか日本語訳で誤解を招く表現になっているようです。マスターカレンダー|ご使用方法|巻き上げ方|の一番最初、「リューズをポジション1に引き出します。」とありますが、もともとポジション1です。引き出さずそのままリューズで巻き上げます。

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シースルーバックの現代におけるもう一つの役割とは。

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クォーツムーブメントが既にあるというのに、わざわざ機械式を愛用する。その理由は数々ありますが、美しいムーブメントを眺めることができるシースルーバックは、機械式時計の魅力を引き出す手段の1つであることは間違いありません。1990年代前後から普及しはじめたでしょうか。もうひとつこのシースルーバックには良いところがあります。ムーブメントには地板のある部分(テンプあたり)をルーペかキズミで拡大してみるとメーカー名、キャリバーが刻印されています。ですからこの時計にはどこの会社のどのキャリバーが使用されているか、またはベースになっているか、そして仕上げの程は、シースルーバックの場合一目瞭然。ユーザー側からしたらカタログのスペックをみるより、非常に確実で便利なわけです。もともとはムーブメントを楽しむために考案された物だと思いますが、2002年ETA宣言もあり、機械式時計の価値を決めるを中身が多様化している今日においては、シースルーバックは、時流からして大切な意味を持つと思うのです。
写真は地板の刻印の一例。ノモスはノモスα(手巻き)ノモスε(自動巻)になったタイミングでETAの刻印がNOMOS GLASHUTTEに変わっている。写真上の右RマークはETAに買収される前のバルジューのキャリバーに見られるマーク。買収後はETAになる。

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今日は満月。ムーンフェイズの調整。

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 本日は満月です。ムーンフェイズが満月になっていない方は、今日、満月に調整すると便利かと。通常は、月齢カレンダーを見て今が、満月または新月から何日目にあたるかを数えて、ムーンフェイズの満月または新月から、その日数分を進めます。たとえば満月から6日めなら、時計のムーンフェイズを満月にしてそこから6進めます。ムーンフェイズは一コマが小さいので、ちょっとコツがいるかもしれません。それが、本日(満月の日)なら見た目「満月」にするだけなので楽に正確にあわせることが出来るというわけです。カレンダーの早送りがNGな時間帯がありますが、ムーンフェイズにもあります。ご愛用のモデルのムーンフェーズが変わる時間帯をご存じない方は、取説で確認するか、個体差も多少はあるので、ムーンフェイズをじっと見つめながら針を進めて変わる時間帯を確認してその時間帯の前後3時間ぐらいはNG時間帯と把握したほうが良いかと思います。

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