あるオーディオメーカーから届いた年賀状のこんな文がありました。
___
オーディオの本来目的とする「もっといい音」を追求すると、効率面では語れない必然的な”ムダ”が生じてまいります。ところがこれが逆に人間らしい心のゆとりを生みだし、人生の豊かさに繋がって行くように思います。
___
「もっといい音」には終着点がないからそこに、アナログ、オーディオには、大いなる夢とロマンの旅があるんですね。
時計の場合本来の目的が「もっと正確な時計」というものであるならば終着点が今はすぐそこに見えてしまいますが、「機械式時計」ということに限ると、このオーディオの世界にも似ている気がします。
必ずしも「便利になった」=「人生の豊かさ」じゃないんですね。
日常ではそう必要性がないクロノグラフやスプリットセコンドクロノグラフ、アラーム、月齢、ワールドタイマー、リピーター、永久カレンダー、トゥールビヨンなど,など….それ以前にゼンマイで時を刻むということに、ただ漠然と魅力を感じていましたが、このオーディオメーカーから届いた年賀状を読んで、すっきりした気分になった次第です。
身の回りがどんどん便利になって、氾濫する情報にうもれて行く毎日、うっかり自分を見失いそうですが、自分の腕に巻く機械式時計が自分を取り戻してくれたり、人生の豊かさに少しでも貢献してくれるなら、ムダも大いに許せます。