イタリア人の時計師カルロ・フェラーラの設計によるユニークなレギュラターウォッチ。イタリア人の時計師といえばヴィンセントカラブレーゼを思い出します。カラブレーゼもオリジナリティのあるユニークな時計を数多く発表していましたが、ユニークさではこのレギュレターも負けていません。
ETA2892のムーブメントに独自のモジュールを組み合わせたCF100を搭載するこのレギュレターの針の動きは従来の針の回転に上下運動を取り入れた針がダイヤル錠をくまなく動いて見せます。
左が分針、中央が秒針、右が時針です。
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「時計〜その他のブランド」カテゴリーアーカイブ
機械式のストップウォッチといえばミネルバ。
ミネルバ社の既に生産終了されているストップウオッチ(60分計 積算付き)Ref:441601Fです。機械式手巻です。ミネルバ社のストップウォッチは、ムーブメントにバネを使用した独特の構造でその耐久性が高く評価れていました。
記録を狙う必死な計測にはむいてませんが、アナログなコクのある時間を計る時に特に向いてます。たとえばドリップコーヒーの蒸らし時間とか、パスタの茹で時間、ボンドの接着時間……。あと、これは実際にあった話ですが、獣医さんがワンちゃんに麻酔をかける時にお使いになるのにご注文いただたことがありました。なんか優しい感じがしますね。きっともっとありあそうな感じですが、機械式のストップウオッチって何故無くなってしまったんだろうと思います。
ちなみにステンレスケースのストップウオッチってあんまりない気がします。デジタルになると何故かプラケースになるようです。
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愛すべきミネルバ社 〜備忘録を兼ねて
ミネルバ社は親子で会長、社長を務める家族経営の会社でした。聞くところによると最後は十数名の技術者で時計を生産していたようです。ここで紹介したストップウオッチも同社では有名だったですが、自社キャリバー、オールドムーブメントのデッドストックをブラッシュアップした腕時計が愛好家に絶大な支持をうけていました。ピタゴラスなんて響きにもっとしっくりする方も多いかと思います。その技術力に目をつけた某グループ企業がミネルバを買収して、一時は今まで作れなかったものが作れるとファンを喜ばせてくれたのですが、実際には製品が世にでることはなく十数名の技術者は結果的にすべて退社したと聞きました。買収元がミネルバの本当の良さ、技術者の気質を理解していたならこうはならなかっただろうと思います。仮にあの買収がなかったとしてミネルバ社が現在どうなっているかは知る由も無いですが、ほそぼそと生産を続けていたかもしれませんし、ひょっとしたらスイス生え抜きのマニュファクチュールとしてさらに活躍していたかもしれませんね。
何度かあります。物語を感じるお客様と時計の出会い。
HPに「Othe〜その他」というコーナーを設けたのでネタを考えていたら、ミネルバのストップウオッチが2つストックがあったことをふと思いだしました。商品を確認してHPに掲載すべく朝から写真を撮ってました。最もシンプルな「積算なし」と「積算計付き」の2つです。
自分が小学校の頃、体育の時間先生の首にぶら下がっていたのは、国産の機械式のストップウオッチだったように思います。短距離も特に長距離は苦手だったのでストップウオッチを見ると、走る前の憂鬱な気分を思い出します。今となっては懐かしい思いですが、そんな機械式のストップウオッチ、少し前に既に、前世紀の遺物と思われている存在です。でも良いんですよ色々と、なにしろ「あの時代のミネルバ製」でもあるわけですから….。
午後からアップする写真を選んでいたところに、わりと近くに住まれるお客様(男性の方)がご来店されて、「2万円位で時間が計れる時計何かない?デジタルでも良いんですけどね…」何やら華道で時間を計る必要があるらしい。条件に合う時計がなかったので、ダメ元で午前中撮影していたデジタルでもなく、予算オーバー(¥38,000)、しかも機械式である何一つ条件にあっていないミネルバをお見せしました。するとお客様はミネルバのスタートボタンを2〜3回押して、私の語り始めたウンチクを一切聞こうともせずに、値札を見ずにポケットから取り出した財布を開けてお札を全部出すというまさかの行動。「ね、ホントに全部でしょ、買えるかなぁ」と言いながら、そして笑いながら空の財布をわざわざ見せてくれました。二人で時計の横に重なったお札を確認してみると、1万円札が3枚、5千円札が1枚、千円札が3枚合計¥38,000-。「で、幾らですか?買えますか?」私は少し驚いて赤い紙製の超味のあるプライスタグを裏返してお見せしました。そこには¥38,000-のプリント。心のなかで「ブレインダイブ」とつぶやきました。あっ消費税….とよぎりましたが、この流れでそれは野暮だと思いました。
こういう時計は、マニアの方がコレクターズアイテムとしてご購入に至るものと思っていましたが、この方は、決してコレクターでも機械式時計マニアでもございません。ご購入の後も、私が話そうとするミネルバの歴史や買収の経緯とその後、スプリングを使った特許の機械について全く耳を傾けず、落下防止におつけしたポケットウオッチ用の紐(何か落としそうな予感がしたので)を首から下げて、ミネルバを耳にあててコチコチの音を聞きながら「この音は良いわ、きっと寝れる」という言葉を残して去って行かれました。長い間ストックしていた時計ですが、行くべきところへ行ったのだと今はとても嬉しく思っています。こんな物語を感じるお客様と時計の出会いは長い間に何度か、立ち会った気がします。というわけで、近日中に、もうひとつの積算計付きのほうをアップしようかと思います。
ポケットに入れるだけではありません。ティソ のポケットウォッチ。
ティソのポケットウオッチT82.4.402.12です。デッドストックというか少し古い在庫です。今回HPに「Other~その他」のカテゴリーを作ったので、掲載しました。この時計は47mmのケースにユニタス6497/Lepineが入ってます。もともとサイズが大気分、耐久性と精度がありポケットウオッチに搭載されるとさらに価格も押さえられてお値打ちなキャリバーでした。イタリアの大型腕時計の手巻きモデルに搭載されたときは、腕時計にも使うんだと少し驚いた記憶があります。昨今、腕時計の需要が関係したのかユニタスの価格も高騰したようですが、このポケットは、当時の価格です。
このモデルは、蓋とかついていなくて、リューズ位置が12時にあるポケットウオッチとしては最もベーシックなスタルで、壁に掛けたり、スタンドに吊るしたり色々と楽しめます。
只今、写真のドーム型ポケットウオッチスタンド(ベルジョン製)が付いていますよ。このスタンドは、時計職人が修理完了したポケットウオッチのランニングテストに机の上で使ったもののようです。
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Lip Mach2000/リップ マッハ2000クロノ
フランスLIPの MACH2000CHRONOが入荷しました。歴史のある時計ですが、当店がHP、ブログでご紹介するのは初めてです。アシンメトリックなケースに3カラーのボタン・リューズがなんともユニークな時計。この時計はTGVのデザインでも有名なフランス人工業デザイナー
Roger Tallon (1929-2011)の1975年の作品です。当時は機械式だったようですが、現行はクォーツムーブメントです。
工業デザイナーとして数多くの名品を手がけているロジェタロン。Mach2000もその1つで、クロノは、Lipの代表モデルでもあります。
ブラックのケースにトリコロールカラー、フランス人時計クリエーターのアランシルベスタインのカラーリングを彷彿される方もおられるのではないでしょうか?
実は、1986年がアラン・シルベスタインが時計デザイナーとしてデビューの年ですが、デビュー前、アランシルベスタインは、MACH2000を気に入って愛用していたそうです。
間違いなく、ロジェタロンのデザインは、70年代後半から80年前半にかけて時計クリエーターを目指すアランシルベスタインに大きなインパクトを与えたに違いありません。
40年前のデザイン、まさにタイムレスなデザインです。
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文字のデカさで選べばコレ。パルデジットペール 。
液晶デジタル表示の電波クロックは、機能、価格、バリエーションと様々で国産メーカーが独自で進化を続けています。私は秘かにガラパゴスクロックと呼んでます。それぞれの用途で適した機能、サイズものがございますが、機能と「文字のデカさ」で選べばコレ。最近、目が…という方(私もですが^^;)これが壁にかかっているとなんとも心強いです。
シチズン パルデジットペール ,時間表示の数字のサイズが113mm(縦)あります。ケースバックのスタンドを出せば置時計にもなります。
本体のサイズは279×407 単三電池x4本、電池寿命約3年間。
日付・曜日、温・湿度表示、六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)表示もついてます。
バネ棒について….?考察とあげくの果てに妄想。
先ほどストラップを交換されたお客様が、この中にスプリングが入ってるんですね。と不思議そうに一言、そういわれれば、そうですね。
ストラップやブレスの脱着をご自分でやったことのある方ならご存知のパーツ、バネ棒くん。敬意と親しみを表して”くん”づけさせていただきたい。
バネ棒くんは、細いバー中にスプリングが入っていて、そのバネのテンションを利用して、ストラップやブレスが取り付けられるわけです。このバネ棒くんのお陰で、ストラップを簡単に交換できるわけで、その脱着の簡単さの割には、外れることも少ない。これがなければ、モレラートもバンビもないのではないかと思うほどです。(笑)尾錠側を入れて普通時計1個に対して3人のバネ棒くんのお世話になっている訳です。
手巻が自動巻きになっても、クォーツになっても、電波時計になっても….、バネ棒くんに変わるものは、現れていない、この偉大なバネ棒くんを最初に作った会社はどこで、誰が考案したものなんでしょうか。スイスにはバネ棒の専門工場は存在するのでしょうか?マニュファクチュールといわれるブランドでも自社でバネ棒までも作っていますというのは聞いたことないですし….。
ご存知方おられたらご一報を。
「重要」
・バネ棒くんには、ラグの幅、タイプに合わせて色々な長さ、太さ、種類があります。
・防水の時計はあっても、バネ棒くんには防水タイプはいません。
「妄想」
ネジ留め式のものやアンティークで見られるラグにバーがつながっているタイプを除くと、殆どの時計が、ブランド、「金額」に関係なくこのバネ棒くんのお世話になっています。決して表に出ることはない(モデルによっては頭だけ出してるものもありますが、この種をバネ棒くんの仲間うちでは、どう言ってるかわかりませんが、)その存在は、完全なる裏方。しかも悲しいかな消耗品、世の中で例えたら何になるでしょうか?(悲しすぎる)
世の中に、針供養なるものがあると聞いていますが、働き終えたバネ棒くんを供養そして感謝する日があっても良いのではないかと妄想する始末。今や誰も知らない(そうでもないか)イマイチ盛り上がりにかける「時の記念日」より本当にお世話になっているバネ棒くんを奉る「バネ棒の日〜バネ棒くん感謝Day」(仮称)のほうが、輸入時計、国産時計、ブランドの垣根を超えてみんなで盛り上がれ、時計を腕に巻く意味について考えることができるかも。
とある所に存在するバネ棒神社に、全国の時計屋、時計職人、時計愛好家が役目を果たしたバネ棒くんを片手に集まってくる光景が目に浮かぶ(笑)