自動巻きクロノグラフキャリバーETA7750を改良してパワーリザーブ60時間としたCAL;H21を搭載したハミルトン X-パトロール。ムーブメントもさることならが、無反射コーティングサファイアクリスタル、10気圧防水、タービンモチーフのシースルバック、インナーベゼルに度量衡換算機能といったスペクを備えて高いコストパフォーマンスを発揮するモデル。入荷モデルは、「ダイ・ハード/ラスト・ディ」で劇中、ジョン・マクレーンの息子ジャック使用モデルということで、A GOOD DAY TO DIE HARD トランプが付いてます。 SOLD
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時計の傷……メーターが教えてくれた、A Valuable dent(カーズ2より)
突然ですが、カーズ2はご覧になりましたか?レッカー車のメーターが、ボディーの凹みの修理をすすられますが、この凹みには親友との思い出があるから、このままににしておくよ、これは貴重なんだ…..というくだりがあります。メーターは、親友がつけたキズを価値ある思い出として大事にしています。真の友情をうまく表現していると思いました。
昨日、リングをクリーニングいしましょうと、お客様にお声をかけると「もう30年以上もつけてますから」っと外されたリング、それをよく見ると全体に傷が入り、うっすらと彫りの模様が見えました。もともとは全体に模様がエングレーブされていたリングのようです。以前なら、親切のつもりで、ここまで彫りが薄くなったら、さっとポリッシュして綺麗にしましょうか?というところですが、容易にポリッシュをおすすめする気になれませんでした。メーターのセリフのせいでしょうか。
自分の時計にも、思い出の旅行でついたキズがあります。
スタイリストさんの目にかなった時計。
搭載ムーブメント、ジャガー・ルクルト製751A/1は、28,800振動、自動巻き、39石、パワーリザーブ65時間。クロノグラフスタートボタンを押した瞬間に滑りだすクロノ秒針の動き出しは、垂直クラッチ方式を実感する瞬間です。リセットの瞬間と合わせてこのタッチが、クロノグラフファンにはたまらない魅力です。ブラックダイヤルのクロノグラフどことなくミリタリー感があります。
「販売日誌」〜2015年8月
東京在住の方から、メールをいただきHPでご覧いただて、すぐにでも現物を見に行きたいところですが、いかんせん福井は遠いので、すぐには…ということでした。丁度、某アフターサービスの職人さんが近々退社するということで、お世話になったといこともあり、ご挨拶に上京を考えてたのでその旨お伝えしたところ、そういうことならと、ご指定の場所(銀座でした)に時計をお持ちするお約束をしました。時計の方はお気にいり頂き無事お取引が完了しました。
実は、この方のご職業が、スタイリストさんで、これがきっかで、ブログを拝見するようになったのですが、こうしたら、おしゃれになるというより自分のような(若くない)ものがファッションで失敗しないコツを教えていただけるのでとても参考になってます。そう失敗はしたくないのです。たとえば、休日のカジュアル路線の時は、カジュアルすぎないように気をつける、ガラものは難しいから避けたほうが無難、何かキレイ系をひとつ盛り込む、ホワイトジーンズを活用する(これは出来てないです)など….。
この方のファッションに対するセンス、買い物に対する考え方を拝見するうちに、このモデルにたどり着いた理由が分かった感じです。
若気の至ということで…..お許しを。時計にあった二つのサイン。
昨日、ご年配のご夫婦が、写真の掛け時計をお持ちになれれて、ご主人様が、この時計の機械をいまの電池式のクォーツに変えることができますか?と言われた。
お話をお伺いすると、年をとったから、踏み台にのってネジをかけるのが、おっくうになった。20年位前、修理をした時に、次回の修理の際は、機械を入れ替える方法もあると、私から聞いたことを思い出したからとのことでした。「….う〜20年前か..覚えていない…。言ったかもしれない^^;」
と心でつぶやきながら時計を見ると、ケースに色あせてはいるけど確かに中慶時計店の文字があるシール。祖父が販売したものか?
お二人が、お帰りになったあと、外装についた汚れをタオルで拭き取ると、なんと「祝 結婚 昭和三十二年三月八日」の文字。これが、ご夫婦そろってお持ちなったわけで、クォーツになったとしても外装をなんとか残したかったわけですね。
幸い機械のほうは、洗浄して注油したら調子よく動いてくれました。ホッ。洗浄では、黒い砂粒のような金属の粉が、いっぱい流れでました。時間の垢落ですね。
表面に、自分のギターのお手入れ用に持っていたオイルを塗らさせて頂きました。機械オイルの香りとオレンジオイルの香りのミックスは、なんか癒される良い香りなので、ゼンマイを巻く作業をいくらか楽しくしてくれるだろうという願いを込めて。
販売後も心に残る時計たち:マスターホームタイム(2004〜2009)
マスターホームタイムは、2004年に発売されて生産終了の2009年まで、ベストセラーアイテムだったことは間違いありません。またデビュー当時は、同社の新たな展開を予感させるモデルでもありました。弊社のHPでもマスターホームタイムのクロコ仕様とブレス仕様は、定番でした。生産終了の案内を聞いて、ストックしたので、その後もHPには掲載することが出来ましたが、先日、最後のストックが嫁ぎ、今囘HPから姿を消すことになりこちらのコーナーでの登場になったわけです。
マスターホームタイムは薄くエレガントなマスターシリーズのイメージを、日常使いの現代的なイメージに変えたモデルだったと思います。シンプルなフェイスに実用的な機能をさらりと盛り込んだジャガールクルトらしさも持ちあわせていたモデルとしても心に残る時計です。シースルーバックから見えるムーブメントCal;975は、両もちのブリッジで見るからに頑丈そうで、このモデルで十分な精度を発揮して信頼を得て、現行ではレベルソスクアドラホームタイムに搭載されているCal977に継承されています。
2つのシチズンの物語〜父と息子の絆。
JLCマスターウルトラスリム34mm(cal;849)〜時計が教えてくれるもの
今回のマスターウルトラスリム34mmは現行モデル。ご注文いただいた時のお客様からの言葉と納品後頂いた言葉が素敵で心に残ったもので掲載させていただきました。
最初は、このモデルにお決めになられた時の言葉。
「定年ということで会社の中でラインを外れたものですから
日付なし、秒針なし、分刻みもアバウト?な時計を身につけ
今までと異なる時間感覚を持ち周囲を見たい、と思っている
次第です」
たしかにウルトラスリム34mmは分の刻みはなく究極のシンプル。
人生には、自分の時間の単位が変わるときが何度かあるようです。それが人生の節目というものなのか。
そして、納品後にいただいたもう一つの言葉は、
「あらためて眺めると、
時間の進みを分針の微かな動きで知るのですが、
あ?動いてる、とわかるのにちょっと時間がかかります
このゆったり感をこれから大事にしていきたい、と思ってます。」
あたりまえですが、秒針があっても、なくても長針(分針)は、ゆっくり動いています。でも自分の時計の分針の動きをじっとみたことのある人はどのくらいおられるでしょうか?
…..「今までと異なる時間感覚を持ち周囲を見たい」….
これから、今までと同じ日常のなかでさえ、分針の動きを確認されたように、新たな発見・感動・出会いが待っているに違いありません。
良い時計には、大切なことを教えてくれる力があるんですね。
この仕事やってて良かった。
ありがとうございました。