時計エピソード」タグアーカイブ

最近のお客様からいただい深いイイ言葉。

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 過去を振り返っても、お客様からいただいた一つの言葉が、自分にとっていつまでも心に残る言葉だったり、やる気を起こさせていただいたり、時には取り扱いブランドまで影響することがあります。
 先日、ノモスの時計をオバーホールでお預かりしたときに、ストラップが傷んでいたようだったので、交換は如何しましょうかと伺った時、そのオーナーからの返答。
「ストラップは時計本体の細かいキズも併せて仕事をした
証ですので、このままで行きたいと思っています。」
 
時計は「相棒」だと言い切り、いっしょに仕事の目標に望むという方。
その方が、先日の日経新聞で自分と同じく、時計を「相棒」と読んでいる人がいたと切り抜きを、送ってくいただ。そして下記の言葉を頂いた、
「そんな相棒達を取り扱う仕事は凄く素敵な仕事だと思うので正直に末永くいい仕事をして時計の良さを世の中に広めて下さい。」
 いづれも時計に対するオーナーの思いが伝わってくる言葉、時計屋をしていて味わえる貴重な体験だと思っています。感謝。

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パーフェクト!メモボックス インターナショナルPG。

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マスターメモボックス インターナショナル ピンクゴールド世界限定250本です。プレSIHHで一番気になったモデルだったんですが、実物が入荷して、手にとってみるとその美しさ、ピンクゴールドとブラックダイヤルのコントラストが醸し出す高級感に吸い込まれそうな印象でした。ズシッとくる重量感、ちなみに体重測定の結果は138.5g。

「販売日誌」
大阪在住のお客様からこの時計を見てみたいとお電話をいただきました。ちょうど大阪に私用があったので日時、場所をお約束をして、時計をお持ちしお会いすることになりました。お客様に指定いただいた梅田のホテルのロビーで待ち合わせして、近くのティールームに移動、そこで商品をご覧頂きました。
商談はスムーズに進み商品もご満足いただけたようで無事取引完了となりました。実は、商談中、隣のカップルが、こちらが気になるようで、(会話が耳に入る距離でした。)ちらちらと視線が気になりました。テーブルにピンクゴールドにブラックのコントラストのメモボックスは、結構な存在感ですから気になってもしょうがないです。聞かずとも耳に入るカップルの会話は自然に時計に関する話になっていたいたようです。男性にしてみれば、彼が時計について詳しければ、良い展開、あまり詳しくなければ、こいつら余計なことを….という感じだったと思います。連発する女性の時計に関する質問に、男性は、少し見えをはって頑張ってる答えていました。それが商談中も気になって、ツッコミを入れたい時もありましたが、もちろん聞こえないふりをしていました。あの後、彼は彼女の心をゲット出来たでしょうか。もし、そうでなかったら、申し訳なかったです。

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ドイツエアマン入魂の時計。

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 この時計を最初見たときの感動は今も覚えています。歴史あるラコーの復活とともに、世界で75本発売された時計。直径55mm、ドイツ空軍のエアマンウオッチをストラップ、までほぼ完璧に復元、ムーブメントは当時のパーツを約80%使用してラコー社の復活の意気込みを感じさせた。(その後のラコーはどうしたことか…..)うちでは一番大きいリストウオッチとして、見る人を驚かせてていました。先日、ドイツ時計好きの方に嫁ぎました。時計がパイロットの命を守る役割をしていた時代、その時間を伝える責任感が裏蓋をあけた時、金色のムーブメントからひしひしと伝わりました。この時計の魅力はここにあり。手にしたときの丸いケースの金属の冷たさ、重量感、ストラップの革の香りまで…心に残ってます。

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華麗なる演出、クロノファイターRACトリガー バックインブラック

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以前からクロノファイターファンのお客様からオーダー頂いた クロノファイターRACトリガー”バックインブラック”、世界限定100本なので、入荷を心配しながら代理店、担当者に問い合わせたところ、ちょど国内入荷したところということで、タイミング良く納品することができました。このクロノファイター、スプリットセコンドクロノグラフにパワリザーブインジゲーターを持ちます。
スプリットセコンドクロノグラフは本来ラップタイムや2つの速度の計測を目的としますが、機械式の場合、なんと言っても、針の動きや、操作感が魅力です。
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心憎い演出は、クロノグラフをスタートさせてスプリットボタンを押した瞬間にあります。
通常時は、カラーを最小限に抑えたダークな世界(写真左)、クロノを作動させて、スプリットボタンを押すとグレーのクロノ針の下から赤いクロノ針が表れ、その瞬間雰囲気を一変します。(写真右)ブラックの基調のデザインはこの瞬間の為かと思える程。針が割れるように見えるので”割剣”とも呼ばれるいわれでもある瞬間ですね。
もう一度スプリットボタンを押すと赤い針は、先に進んだクロノ針を追いかけてその針の下に隠れて計測を続けます。(もとのさやに帰るわけです)2つのクロノ針を別々に止めて、それぞれをリセットさせることも出来ます。ロゴ下のパワーリザーブインジゲーターもさりげなくて良いですね。
SOLD OUT
機械式クロノファンにはたまらないこのスプリットセコンド機能を持つクロノグラフは、今年ゼニスからもエルプリメロ・ラトラパンテ( cal:4026)が登場します。10ビートのスプリット、こちらも楽しみです。

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ジャガールクルトのアラームウォッチ。〜復刻版もいいですが..。

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ジャガールクルトといえば、反転するケース構造を持つレベルソを真っ先に連想されると思いますが、腕時計にアラーム機能を持たせたメモボックスも同社の歴史を語る上で避けて通ることはできないアイテム。1950年代に既にキャリバー489、814、を搭載した、手巻き式アラーム機能付き腕時計を発売させていました。

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写真は米国向けに発売された1950年代のルクルト社のアラームウオッチ(参考商品)、米国向けの場合諸事情でLECOULTRE となったよう。この時計はwrist alarmとなっています。(cal489-1)何とも時代を感じさせる魅力的なラグの形状ですが、米国向けのルクルトはケースがワーズワース社によるものらしい。
1956年には自動巻ディト付きを発売。1960年代の後半にはcal;916(28,800振動)を発表。
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ジャガールクルト社のアラームウオッチの歴史を語る広告資料。左は1950年代、右はなんとコンコルドがあるので1969年以降、70年代でしょうか。
80〜90年代初めには、ラインナップから消えていたアラームウオッチですが、1994年にマスターレベイユとして復刻されました。当時同社のアラームウオッチが無かったわけではなく、グランレベイユという永久カレンダーにアラーム機能が付いたモデルはありましたが、デザイン等はメモボスとはだいぶイメージが異なる物でした。ただアラーム音はこの時にベル音になっていました。1994年マスターレベイユ(cal;918)はそのベル音で発売されました。

その2年後に手巻き式がメモボックス(cal914)という名前で発売されました。その後新たなラインとして投入されたコンプレッサーシリーズ、AMVOXなどの第一弾はいつもアラーム付きのキャリバーでした。その間cal;918にはいつのまにかハック機能が付きました。2009年にされたネイビーシールズアラーム(cal;956)では、カレンダー早送り機能もつきました。

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2010年、歴代メモボックスのアンティークの中でも人気を誇るメモボックス・インターナショナルが限定品で復活。アラームディスクに都市名が書かれていて、ディスクを回転させることで海外時間を知る簡易的なワールドタイマー機能ですが、なんともブラックダイヤルが精悍です。車の世界では、復刻版たよるメーカーは将来性がないという話を聞いたことがありますが、復刻も嬉しいですが、伝統をふまえつつオリジナリティある新しいデザインにも挑戦して欲しいものです。

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プッシャーを持たないクロノグラフ。

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最初見たときはいったいどういう構造なのかと思いました。この時計は、ガラスを含むケース自体がスイッチになっていて、ケース12時位置を押すとその力をトランスミッションがムーブメントのクロノクロノグラフをスタートさせるために必要な位置と方向に変えて伝達し、クロノをスタートさせます。トランスミッションはダイヤル6時位置に見えています。リセットは6時位置を押す。クロノグラフを使用しないときは9時位置のロックをかけてケースを固定させておきます。ロックは2種類ありもう一方は、積算の際に誤ってリセットしないようにリセットのみロック。
ハンドルを握って指先でカチッと素早く押すクロノグラフをスタートさせる格好いいシーンがイメージされますね〜。ちなみに、車のほうアストンマーティンDBSには、この時計のシステムを利用したエンジンスターター付きの時計が高額オプションであるとか…。ドアを開けて、シートに座り、ハンドルを握って、時計のガラスをカチッと押すとエンジンスタート!ボタンのないところを押してクロノ(エンジン)をスタートさせるというのは、まさにジェームスボンド的発想ですね。
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6時位置に見えるトランスミッション。SOLD OUT

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ゼンマイが自分を取り戻してくれそうな気が…。

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あるオーディオメーカーから届いた年賀状のこんな文がありました。
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オーディオの本来目的とする「もっといい音」を追求すると、効率面では語れない必然的な”ムダ”が生じてまいります。ところがこれが逆に人間らしい心のゆとりを生みだし、人生の豊かさに繋がって行くように思います。
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「もっといい音」には終着点がないからそこに、アナログ、オーディオには、大いなる夢とロマンの旅があるんですね。

時計の場合本来の目的が「もっと正確な時計」というものであるならば終着点が今はすぐそこに見えてしまいますが、「機械式時計」ということに限ると、このオーディオの世界にも似ている気がします。

必ずしも「便利になった」=「人生の豊かさ」じゃないんですね。

日常ではそう必要性がないクロノグラフやスプリットセコンドクロノグラフ、アラーム、月齢、ワールドタイマー、リピーター、永久カレンダー、トゥールビヨンなど,など….それ以前にゼンマイで時を刻むということに、ただ漠然と魅力を感じていましたが、このオーディオメーカーから届いた年賀状を読んで、すっきりした気分になった次第です。

身の回りがどんどん便利になって、氾濫する情報にうもれて行く毎日、うっかり自分を見失いそうですが、自分の腕に巻く機械式時計が自分を取り戻してくれたり、人生の豊かさに少しでも貢献してくれるなら、ムダも大いに許せます。

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