サファイアクリスタル編(その1,サファイアクリスタルとは。)

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先日、ロレックスをお探しのお客様が、サファイアクリスタルは絶対に割れることはないと、あるお店で販売員から聞いたが本当?と聞かれました。(そんなものがこの世にあればNASAが黙っていないはず….。)正規店でもそんなことを仰って販売しているとは。^^;
そこで、サファイアクリスタルについて段階をふまえて、正しい知識をシリーズでお伝えすることを決意しました。うんちくを語る際の一助になれば幸いです。今回は、そもそも時計に使われているサファイアクリスタルとは…。

 時計に使われている通称サファイアクリスタルは正確に言うとシンセティック(合成)コランダムの中のカラーレス(無色)サファイア、コランダムという結晶は赤以外の変種の場合、頭にその色をつけてサファイアと呼びます。ブルーサファイア、イエローサファイア、バイオレットサファイア、無色はカラーレスサファイア …..ちなみに赤だけはルビーと称します。ムーブメントの何石と表示する軸受けに見える赤い石、受け石は、このシンセチック(合成)・ルビー。話をサファイアガラスに戻しますと何故サファイアが時計のガラスに使われるようになったかというと、第1の理由は世界最強とは言えないまでもその硬度です。モースの硬度表で行くとダイヤが10でだんとつの1位、次に硬度9のコランダム(サファイア)。この硬度はスクラッチ、ひっかき傷、に対する強さを表します。理屈で行くとコランダム(サファイア)はダイヤモンドに接触しない限りキズはつかないことになります。しかし実際は、サファイアガラスも条件によってはキズもつきます。(理屈通りに行かない。世の中はそんなものです。)ちなみに同じコストで同じサイズのダイモンドの合成が人工的にできれば合成ダイヤモンドがサファイアに取って代わるか…というとそれも疑問です。屈折率や臨界角も関係しますので、また割れる割れないという破壊的な話になるとそれは硬度とは別の話です。その辺りは次回。

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