Real Thing/中川イサト(SEAL-031)
日本におけるアコースティックギター・インストルメンタルミュージックの元祖的存在中川イサト氏の4年ぶりのニューアルバム。美しいギターの音と日本人にはしっくりくるメロディに癒されます。アコースティックギターも機械式時計も基本的に電機を使わないところに共通項を感じます。(生音を増幅させるためや自然なエフェクトには使うかもしれませんが)何年も前から中川イサト氏のアルバムは聴いていますが、最初のころと比べるとライナーノートの本人談のとおり、今回のアルバムは音をつめこまずにシンプルに仕上げられたようです。
時計でいうと技術的にはグランドコンプリケーションも作れる職人があえてシンプルな3針時計に挑戦し、時間をかけてじっくり作り上げたという感じ。その3針時計は使えば使うほど、時がたつにつれて味がでてくる。聞き込む程にその良さが伝わってくるそんなアルバムです。「音」そのものも素晴らしいのでオーディオファンの方も満足出来るのではないでしょうか。13.Epilogueを目を閉じて聞いて、あたかもそこで中川 イサト氏が弾いているように聞こえたらオーディオセット合格。